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「jazzzzzzzzzzzz-danceによせて」

セレノグラフィカの活動で国内外を飛び回る阿比留さん。 2007年の黒沢美香&大阪ダンサーズの公演を連日つづけて鑑賞されました。 大阪ジャズズの全ての公演を見るほど、なにが阿比留さんを駆り立てたのでしょうか。 阿比留さんからみた「ジャズズ・ダンス」を書いていただきました。

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jazzzzzzzzzzzz-danceを見たのは2007年当時、大阪新世界のDANCE BOX(現在の拠点は兵庫県新長田)だった。関西を拠点に活動している女性ダンサーたちが集結したこの公演は、どんなものか想像もつかず、しかも見に行った理由は私が活動を共にしているダンサーが出演するからだった。特別な思い入れがあったわけではない。 そんな私が見に行ったのは初日。 あまりの衝撃に驚愕した。 振り付けはシンプルなモティーフ、音楽は公演名にあるとおりメインはジャズドラムのシンプルな6拍子のストリングス、あとスタンダードジャズが数曲。とシンプルづくし。 にも関わらず何が凄かったかというと、女性たちの戦い、存在感の応酬。それぞれのダンサーがリアルな火花を散らすその様に目が離せなかったのだ。 何故あのような表情で踊り、佇み、尻を振り、片足で地面を踏みつけ、両手のひらで空気を押さえつけ、自身の存在を確かめるのか。 そしてその行為そのものを、共演者や観客に「私ってどう?」と問いかけてくる。 基本的にこの手の問いかけがあるダンスは受け取るのにエネルギーを要するので相応の覚悟がいるのだが、この作品は違った。何故目が離せなかったのか、その仕掛けは今も謎のままだ。 初日を見たのに、千秋楽までほぼすべての上演を見に行ってしまった。 毎終演後、劇場併設のカフェに男共が集まり女性とは~と好き勝手に盛り上がっていたことを記憶している。なんとなく後ろめたいもの見た感覚でその場に居づらいのに、何故か余韻は味わいたくてなかなかその場を立ち去れないのである。 8年ぶりに新メンバーで開催すると聞いた。しかも今回は男性も参加するらしい。まだ見たことのないダンサーもいる。何度も何度も見てきたダンサーもいる。いったいどんな問いかけをしてくるのだろう。 この作品は、ダンサーだけでなく、振付家に見て欲しい。 仕掛けと罠があるからだ。あの臭い。あの匂い。 あれを嗅ぎに行って欲しい。 セレノグラフィカ 阿比留修一

阿比留修一 [あびる しゅういち/ダンサー] 即興王、ダンスの職人、かかとのない男などの異名を持つ、関西を代表する男性舞踊手。卓越したテクニックを基に、踊って踊って踊り倒すそのダンススタイルは、多くのダンスファンの共感を呼んでいる。 97年隅地茉歩とセレノグラフィカを結成、以後、全デュエット作品及びグループ作品に出演。近年は公演、ワークショップも含め、あらゆる世代の人たちにダンスを届けるべく全国各地へ遠征、200を超える教育機関へのアウトリーチも行い「身体と心に届くダンス」を生み出す日々である。(一財)地域創造「公共ホール現代ダンス活性化支援事業」登録アーティスト。平成8年度大阪府芸術劇場奨励新人。http://www.selenographica.net

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