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Dancer Interview 福岡まな実

2月4日、稽古終わりの夜にart theater dB神戸のロビーにて伺いました。 12年前のワークショップや大阪でのジャズズを経て、今回のジャズズをどのように捉えているのか、ダンサーの福岡まな実さんに話を聞きました。

[話し手]

福岡まな実

ダンサー

詳しいプロフィールはこちらから。

[聞き手]

岩本順平

NPO法人DANCE BOX

フリーカメラマン

>美香さんとの出会いはいつですか? 出会いは、トリイホールの時の「薔薇の人」という公演で舞台を拝見したのが最初です。 >何年ごろのことですか? 2001年とかそれぐらい前だと思います。 >バラの人という公演を観た後、ワークショップに参加したんですか? ダンスボックスが新世界に移った後の集中ワークショップを受けましたね。 >初めて作品を見たとき、会ったときの印象はどうでしたか? 実はほとんど寝ていてみれていないんですよ。その時は罪悪感でいっぱいだったんですけど、私自身踊りもそんなにやってなかったし、よくわからなかったんです。美香さんの存在はなんか不思議な人だなと、どんな踊りをされるのかと思って見てたら、ずっと雑巾掛けをしているというものでした。 それこそ「なんだったんだ、あれは」という感じでした。この雰囲気、喋り方とか、独特の雰囲気をお持ちで、陰とは違うんだけど、オーラがある不思議な人だなという印象でした。 >わからなかった黒沢美香さんのワークショップに参加した理由はありますか? 「夏塾」というダンスボックスが主催する企画だから受けたのだと思います。 その時はワークショップを受けまくっていたので、それの一つで受けたと思います。 怖いもの見たさで、というのはあったと思いますね。 >ワークショップは受けてみていかがでしたか? 言葉ひとつで場を変えることができて、踊らせることができる、という、美香さん自身の言葉で変えられてしまう快感というのを感じました。最初の大阪ジャズズの公演のメンバーは、4年間続けて美香さんの夏塾を全て参加しています。みんなどの夏も公演でもないのに鼻息を荒くして(ダンスボックスに)きて、4日間とか5日間とか一緒に過ごしました。 >8年前の公演を踏まえて、今回稽古に臨むにあたって考えた事ありますか 当たり前だけど体が変わっています。年を取っているし、経験していることも違うし、知ってしまっていることが多いし、美香さんの言葉の威力も充分知っています。それで、今回の挑戦というか、やらなくちゃいけないこととしては、前は美香さんのために踊っている、美香さんに見てもらいたくて踊っていたんですけど、(今回は)どれだけ自分をジャズズから切り離して、美香さんから切り離して踊れるか、という点だと思っています。もちろん、横浜のダンサーズでも長い期間、美香さんと踊っていて、いつも新たな愛で踊っている人もいるんですけど、それだけでは、体が動かなくなっている、愛だけでは動かなくなっている事実があって、それに自分も愕然している部分もあります。 やっぱりな、というのもあるし、その時にどれだけドライに、自分の踊りをできるか、ということですね。8年前の公演後に公演を振り返って隅地さんが「情事だったよね」と言っていました。みんながジャズズというものに恋をしたし、美香さんに恋をしたし、それぞれが、どう見られてもいい、踊るんだ!というような感じになりました。みんなが、みんなそれぞれがそうなったから、大阪の公演があって、私はその感じが忘れられなくて、この恋を断ち切らなくちゃと思って、アゴラのジャズズも出たいと押しかけました。大阪のジャズズと東京のアゴラのジャズズも全然違うし、自分が違うんですよまず。その中でどういう風にできるのかな、と思っているんですけど。 >今回の舞台はどうなっていきそうですか?若手のダンサーも増えていますが。 今回は長年の夫婦の愛の確認ではなくて、新しい初恋みたいな芽がいくつかあって、それがアクセントになっていると思います。構成も全然違うし、前よりもっと古株がそれぞれ色恋過ぎて、それぞれの仕方で立てたらその中で可愛い恋があって、ポップで温かいものになるかもしれないなって思います。 >美香さんだからこそのものはありますか? 一番すごいな、と思うのは、振りのタイトルが上手なところです。それが重なっていくじゃないですか、「ラッシュ」の次に「白鳥」、「よどみ」とか。それは構成の中でも重なってきて、言葉の中でも踊っていくような、段取り、指示出しも段取りじゃなくなるというか、それが面白いなと思います。独特といえば、ほんと美香さんの世界ですよね。 >美香さんとの恋とか、ジャズズとの恋はどうなりそうですか? 失恋に近いかもしれないですね。 わからないけど。私自身も、いろいろなものが変わってきている、もしかしたらあまり何も変わっていないのかもしれないけど、私が思っているだけで。変わっているとして、今の立ち方で自分らしく愛だ、恋だ、じゃなくてできたらいいな、と思っています。 >これから目指していきたいダンサー像はありますか? 誤解を呼ぶ言い方になってしまうのですが、祈りたいだけなんですよね。その祈っている状態を作りやすいのが踊っている時なんです。今からもしかしたら畑仕事とか、料理とか、旅をすることとかに変わるのかもしれないけど、今の所私が見つけているが方法が踊りだったので踊っています。 >本日はありがとうございました。おやすみなさい。

(文章・撮影:岩本順平)

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