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Dancer Interview 下村唯

[話し手]

下村唯

ダンサー・振付家

NPO法人DANCE BOX 劇場管理担当

[聞き手]

横堀ふみ

NPO法人DANCE BOX

プログラム・ディレクター

>みかさんとの出会いはいつですか? 「国内ダンス留学@神戸」2期生の時に授業で美香さんのワークショップがあって、その時に始めてワークショップは受けましたけど、本当の最初は「北村成美/Revival」のダンサーとして参加されていた時にお会いしたのが一番最初です。でもその時はあまりお話しなかったです。

「北村成美/Revival」の時の印象は北村成美さん(以降、しげやん)の踊りをみかさんが踊ったのを観た時に、力強さやたくましさとは違った力を感じたこと。からだの言葉というものがたくさんあるとしたら、美香さんからは二つか三つだけの言葉が見えてきた。

ひとつは覚悟、ひとつはダンス。そして、すごく印象に残ったのがかっこ悪さでした。 しげやんのダンスは突発力があって、まさにかっこいいんですけど、美香さんのダンスは私はこんなにも出来ないって、出来ないことが出来るんだって言われている感覚で、かっこ悪いものを観てかっこいいなと思ったんです。

ワークショップを受けた時は…なんじゃいな!!と思いました。パーツやコンテンツはたくさんあったと思うんですけど一番覚えているのはクールダウン時の動きが印象に残ってます。 自分に向けるベクトルと、ダンスにして外に向けるベクトルがシーソーみたいに感じるのを、なぜかクールダウンの時に感じてそれがめちゃめちゃ印象的でした。 >美香さんの公演ならではと思うところ、他の公演と違う所はどこでしょう? 与えられた振り付けに対する押しつけが少ないです。 決まりごとのやわらかさ、振付家としてのセンスがすごく柔軟で、やわらかく構築していくことが他の作品に出る時とは明らかに違います。稽古までは、板に立ってさあどうしようっていう時間や、決断して板に立つという時間があります。僕がこれまで立った舞台は決まったことを問題なくやるということが重要だったりしたのですが、舞台に立つという決断さえも時に不必要なことだったりするので、混乱するというより、迷っているのだと思っています。 よく言われます、迷っているのがモロバレなんですよ。 質問して解決するような問題ではないので自分で何とかするしかないんですけど。 自分がどうしたいかということを求められているという事ではなくて、どういうものをダンスとするのかということを、求められていると思う。ある種の集団としての力みたいなものを求められているかと思えばそうじゃなくて、ある時はスタンドアローンを求められるし、ある時は自分を殺してでさえもダンスに向き合う所もあって、その判断も自分でするときもあれば集団がする時もある。 ひとりが動くのに付いていくのか行かないのかとか、付いて行ったとしたらその集団はどこに向かうのかは誰かが決めているのだけど誰かは分からない、その曖昧さとか気持ち悪さに乗れたらワッ!て行くんですけど、乗れなかったらもうその集団にひだが出来るんですよ。そのひだを手繰って手繰っている内に時間が過ぎるんですよ、苦悩しています。 >好きな美香さん語録はありますか? 「ダンスは追いかけると逃げる。待っても来ない。」 このふたつでひとつの言葉がすごく好きで、身体のどこかに秘めながらやってます。身体を動かして動かしてって時に逃げているという事がすごく多くて、どこにいるんだろうって探しても出てこないし、でも舞台には立っているし、そこの掴み所のなさが今までやってきた演劇やダンスとかとは明らかに違う。舞台に対する感覚と価値感、それがこの言葉に秘められていると思います。 >最後に、ひとりだけ男子ですが、今回どのように狙いますか? 狙うも何もないですけど、僕は男子だと思ってないですから! 僕が女子というわけではなく、メンバーがほとんど性別を超えている人たちばっかりなので、そんな男とか女とか関係ないんですよ。楽屋がヤングチームとアダルトチームで分かれてて、僭越ながらアダルトチームに入れさせてもらってるんですけど。何で僕がこんなドキドキせなあかんのかと思うくらい、脱いでは体を拭き、化粧前と化粧後がはっきり分かり、スイッチの入り方とかもばっと変わる。オトナ女子は凄いです。

(文章:横堀ふみ)

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