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Dancer Interview 寺田みさこ
February 5, 2015
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ダンサー・振付家として活躍している寺田みさこさんにお話を伺いました。
美香さんとの出会いや美香さんならではの魅力を語っていただきました。
[話し手]
寺田みさこ
ダンサー・振付家
詳しいプロフィールはこちらから。
[聞き手]
横堀ふみ
NPO法人DANCE BOX プログラム・ディレクター
岩本順平
NPO法人DANCE BOX 広報担当
フリーカメラマン

>みさこさんにとって美香さんとの出会いは?
随分前になりますけど、美香さんの舞台を拝見したことはあります。より具体的な出会いとしては、私が勤めている京都造形芸術大学に夏の集中授業で来ていただいたことがあって、その時に何日か授業を見学させてもらいました。それが確か2~3年前だったと思います。
>印象はどうでしたか?
実は間近でお会いするまでは、ものすごく怖い人に違いない、と思い込んでいました(笑)。もちろんここで言う怖さというのは厳しさということでもあるので、その意味では間違いではなかったんですけど、一方で、ものすごくおおらかな方だとも思いました。ダンスに対する凄くタイトで厳しい視点と、同時に凄くワイドでおおらかな視点が共存していいて、その場で起こっている魅力的なものを柔軟に見つけ出す力とか、肯定する力というのがとても印象的でした。集中授業の時に、午前中のストレッチが始まるや否や寝ちゃった学生がいて、私は内心ハラハラしてたんですけど、美香さんはその姿を本気で面白がって見ていて、その学生は、まんまとそのままお昼まで眠りこけてました。
>初めて美香さんの作品に参加されていて、美香さんならではと感じる部分はありますか?
<浄さ>ということに対して、どこまでも誠実な方だと思います。<浄さ>ということの中には色んな要素が含まれていると思いますが、濁らず浄くあるということは、ある意味で未知の場所を手探りで進み続けるようなことだと思うので、すごく胆力が必要だなと思います。美香さんがジャズズというこの作品を、再演の度に鮮やかに塗り替えていかれることは、美香さんにとってはごく自然なことなんだろうと思います。そしてダンサーに対しても自身を更新し続けることが求められているように感じるので、その意味ですごくテンションの高い現場だと思います。
>美香さんのクリエイションで難しいところはありますか?
一言で言うと<軽やかさ>ですかね。以前、美香さんの舞台をを拝見したときに私の中に残った強烈な印象が「絶望の先の希望」でした。ですからここで言う<軽やかさ>というのはふわふわした単なる軽さではなくむしろ強さなんです。困難とか絶望とかをまっすぐに受け止めて、尚且つスクッと立っていられる強さ、というか自由さというか。
私にとって、深刻な雰囲気を作り出すのは割と簡単なことで、それは観客の視線から自分を守る一つの方法でもあると思うんですけど、美香さんはそこには留まらせてくれないですね。深刻さがダメなのではなくて雰囲気じゃダメだってことだと思います。普段は私も学生に対して「雰囲気じゃなくて身体を使え」って、同じようなこと言ってるんですけどね。これがなかなか難しいです。
>みかさんのことばで記憶に残っているものはありますか?
たくさんありすぎて選ぶのが難しいです。
振付の部分に関してはすごく具体的な指示もあるけれど、もちろん形をなぞっているだけではダメで、
「踊りになっていれば形なんてどうでもいい」とおっしゃいます。この「踊りになる」という言葉はある意味抽象的で、ちょっと間違えると精神論のように捉えてしまう可能性もあるけれど、いろんな言葉をすくい取っていくと、必ず身体に辿り着くように思います。振付家がどれだけ抽象的な言葉を投げかけようとも、それをいかに具体的に自分の身体に翻訳することができるか、ということがダンサーの仕事だと思っているんですけど、今回は新しい言葉たちに出会って、興奮するとともにまだまだ迷いの中にいる感じです。
一つ印象的な言葉使いがあって、振付とか構図とかを変更するときに「どうやら…らしい」という、まるで他人事かのような言い方をされるんですね。この言葉使いから私が感じたことは、美香さんはきっと、自分を含む広い世界のあらゆるものと対話し続けているのだろうな、ということです。このことが美香さんの強さや軽やかさ、自由さを担保しているのかもしれないとも思います。
>次に出演される舞台の宣伝をお願いします。
笠井叡さんの新作「今晩は荒れ模様」に出演します。
(HP:http://setagaya-pt.jp/theater_info/2015/03/post_391.html)
3月に東京で、4月には京都での再演もあります。
笠井さんもご一緒させてもらうのも今回が初めてで、私自身この歳になって、立て続けに2人の大御所とお仕事させてもらう機会に恵まれたことを、本当に幸運に思っています。笠井さんの振付はもちろんのこと、言葉もまた独特で、時事ネタから宇宙的な話にふわっと橋がかかったりするので、全くもって翻弄されてますけど(笑)とにかく濃密な時間を過ごさせていただいています。美香さんとの時間も笠井さんとの時間も、ボディブローのように後々響いてくる予感がするので、ゆっくり咀嚼して確かな血と肉にしていければと思っています。
>それを次の舞台ということで、楽しみにしております。
(文章・撮影:岩本順平)
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