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Dancer Interview 田中幸恵

2月4日、稽古終わりの夜、田中幸恵さんにお話を伺いました。 濱口竜介監督の作品「ハッピーアワー」にも出演している田中さんに映画の事やダンスのことを伺いました。

[話し手]

田中幸恵

ダンサー

NPO法人DANCE BOX 教育担当

詳しいプロフィールはこちらから。

[聞き手]

岩本順平

NPO法人DANCE BOX 広報担当

フリーカメラマン

田中幸恵インタビュー 修正 >美香さんとの出会いはいつですか?
 2011年の夏の(ダンスボックス主催の)「夏塾」というワークショップに初めて参加した時です。 でも一番初めは、同年の1月、余越保子さんの高校生と一緒に作品をつくるという企画のスタッフ見せの時で、そこに黒沢美香さんが来られていたんです。その時は、挨拶しか出来ませんでしたが…。 >美香さんの作品は観たことありましたか?
 (美香さんと出会うまで)作品は観たことなかったけど、私は文献や記事で知っていたんです。なのでどちらかと言うと歴史上の人物という印象を持っていました。ドイツ滞在していた時に「日本のダンスってどんなんなんやろ?」って、ネットや文献で調べた時に、黒沢美香という人物が出てきて、舞踏とはまた違う強烈な人がいるんやなぁと思っていました。
ただ実際どういうダンスをしているとか、どんな顔をしているとかが分からなくて…。美香さんが踊っているのを初めて見たのは、しげやん(北村成美)のリバイバル作品「ラベンダー」のゲネプロの時でした。
人は本当にうっとりすると手がここに来るんですよ(一般的にうっとりしている女の子がするポーズ)。文献で知っていたのはアバンギャルドな感じだったけど、全然違っていて、なんてエレガントな、美しくて品のある、「まぁうっとり」って、目がハートになったのが、一番最初に踊っているのを見たときの印象です。 

>作品や会った時の印象、インパクトはありましたか?
 ワークショップの時の印象は、とても真剣で、めちゃくちゃ粋なユーモアというのが秒単位で次々と飛んでくるなぁと言う印象でした。巧みな言葉はもちろんだし、表情とかもすごい可愛いし、「なんでこうなるのかなって不思議でした。常に自然というのか、なんか人間と言うか、女性の分厚さや深さみたいなものを感じました。

 >田中さんにとってジャズズだからこそ出たい理由ってありますか?
 8年前のジャズズダンスの映像を見た時に、「私も(この中に)いそう!」って思いました。(笑)
ダンサーは皆さん関西のコテっとした人らと言う感じで「私ここに普通に混じってるかもしれへんって他人事じゃない印象を受けました。
また、美香さんのワークショップで去年から尻振り(ジャズズ)をやって、ゲーム的な面白さも感じています。所謂ダンスをするってことの中に、前を向いて踊ることだけじゃなくて、それを一歩引いて見る、そこでどう踊る/在るのかをしっかり試されている感じがあります。あと、(通し後の)駄目出しでバッと言われたことが、すごい恥ずかしい事でも、それがチャンスだとポジティブに捉えられるというか、なんかジャズズに関しては落ち込む間もなく、それを自分なりに受け止めることが出来ています。褒められると嬉しくなるけど、それよりもキツイことを言われた時の方が、いいことのような…。
普段は打たれ弱くてどっぷり落ち込んでしまうんやけど、ジャズズに関しては、(リハーサル期間が短い事もあって)そうなっていますね。それはきっと私がダンスの舞台に飢えてたってこともあると思います。(稽古の)初日は「やっぱりダンス面白いな ってすごく緊張しながらもめっちゃワクワクしていました。 

>美香さんと他の振付家の違いってどこだと思いますか?
 美香さんの言葉の全部は理解できてないと思いますが、注意とか、声掛けにしても、すごいユーモアたっぷりで巧みな例えが身体のことを言っているから感覚しやすいです。
これまで出会ってきた振付家は、言葉で説明できない時は踊って見せてくれたりする、それを美香さんは一発でポンっと、言葉をくれる。その単語が直接的でなくても感覚できるということに毎度くすぐられています。駄目出しも、実は紙芝居などを見るぐらい楽しみで。決してこう、面白い話をしているわけではないんやろうけど、好きな番組始まる前みたいに楽しみなんです。 

>今年はこの後活動の予定あるんですか?
 活動予定は今のところないですが、去年は濱口竜介監督の映画撮影に参加していて、その公開が今年の秋の予定です。今月21日には、未完成状態の編集公開ラッシュと言うのが、KIITOであります。一昨年にこの映画のためのワークショップから参加していたのですが、4年前にドイツから帰国して自分がなにか日本で活動して行くにはどうしたらいいかと思った時に、日本のダンスの入り口っていうのが自分にとってはなんか難しくて、「ならば別の入口でと思ってた時に映画に出会いました。「まっこれを踏み台にやってみるかと軽い感じで参加したんです。
舐めてた訳では決してないんやけど、そしたらそこ(ワークショップや撮影)で結構えらい目に遭ってしまって(笑)、でもそれがジャズズ(ダンス)とめっちゃ繋がっていたんです。根本的にすごい似てるなというか、一緒やなって。
これ、演出のタクさん(首くくり栲象さん)とも話したんやけど、「あなたは誰なんだ?」ていうことを突きつけられている。これって映画撮影の時に言われてた事なんです。今は踊るってことでそれが問われていると思います。 KIITOアーティスト・イン・レジデンス2014 濱口竜介 映画『ハッピーアワー』編集ラッシュ公開上映 http://kiito.jp/schedule/event/article/11022/

(文章・撮影:岩本順平)

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