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Dancer Interview 北村成美
February 2, 2015
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8年前の大阪で公演したジャズズダンスにも出演されていた北村成美さんにお話を伺いました。
8年ぶりのジャズズダンスにかける想いや黒沢美香さんの魅力を、しげやんらしく語っていただきます。このインタビューで、黒沢美香さんの舞台の特別さを垣間見ることができるでしょう。
また、今回は京都で活躍するダンスユニットについても少々。
今回は1月28日、4日目となる稽古直前にお話をArtTheater dB Kobeのロビーにて伺いました。
北村成美さんとのインタビューです。
[話し手]
北村成美
ダンサー・振付家
プロフィールの詳細はこちらから
[聞き手]
岩本順平
NPO法人DANCE BOX 広報担当
フリーカメラマン

岩本
今日はお時間とっていただきありがとうございます。
早速ですが、大阪のジャズズダンスにも出演されていましたが、今回の公演に向けての何か特別な思いはありますか?
北村
前回は妊娠中でジャズズに参加してました。あの時の舞台そのものなんだけど、私が一段高いところにずっといて、事の次第をずっと見守っていて最後に現れるという役だったので、どっぷり中に浸かってはいるけど、一歩引いたところで全体を見せてもらうような感じでした。
岩本
前に出るような感じではなかった?
北村
最後の方に1曲、梨袋をかぶって沈黙していた3人がどばっと出てきて踊るシーンがありました。
岩本
黒沢美香さんの影響を受けていると、どこかで伺ったような気がしたのですが。
それはどういったところですか?
北村
12年前に初めてダンスボックスにワークショップに美香さんが来られたのが最初の出会いだったんです。それは、自分のダンスの歴史にとって、美香さん以前、美香さん以後、すなわち紀元前、紀元後ぐらいのレベルで大きな転機になりました。
それまでにいくつかのソロの作品が出来上がっていたけれど、美香さんと出会うことでようやく、スタートラインに立たせてもらえたというか、、それまでは振り付けを見せていたのですが、美香さんと出会ったことではじめて「踊る」という段階に入らせてもらったんです。
岩本
一番、「紀元前・紀元後」で変わったものは?
北村
舞台に立つ時の感覚がはっきりと変わりました。
子供の時からバレエをやっていたから、舞台には数多くたたせてもらったんですけど、その日を境にはっきりと変わりました。
岩本
12年前のは、作品への出演などでなく、ワークショップだったんですよね。
北村
「教えるなんて横柄な、習うなんて甘えないでね」というタイトルで、参加者が客席にいて舞台にどんどん入って行って、一人一曲踊るというワークショップでした。独特な緊張感のなか、板の上にどんどん上げられていくんです。スポーツのように燃焼して踊る、それ自体が悪いことではないんですけど、それだけでは到底味わえない身体の奥底からわき上がるような、感覚を味わいました。
その体験で舞台での立ち方がごっそり変わりました。
美香さんと一緒にウォーミングアップとかクールダウンでシンプルな動きをするんですけど、それ自体が舞台に立つ稽古なんです。感動に満ちているんです。
それ以後、自分の稽古においてもエクササイズをしてから、踊りの練習という概念がまったく無くなりました。踊りの稽古とは、エクササイズやトレーニングそのものが踊りになっていく、そういうものに変わりました。そのおかげで、稽古場に入るまでの仕込みが逆に深くなりました。
岩本
そういうこともあって、毎朝、お子さんと走ってることにつながってますか?
北村
つながってますね。(笑)
稽古には何の準備も無しに丸腰では出て行けなくなりました。それは単純に体力がどうこう、踊りの技術がどうこうでなくて。なんかこう、楽器を調律しておく、刀を研いでおくとか、そういった感覚で体を用意しています。
岩本
表現が強いですね。刀研いでおくとか、すごいいい表現だなと思います。
北村
それは単にジャズズだけじゃなくて、全てにおいてそうなってきてます。だから30代当時の仕込み具合と40歳過ぎてからの仕込み具合って、やっぱり手間暇かかります。30代の頃は体の準備は時間的に半分で済んでいました。年をとるから、単純に、補わないといけないことがたくさん出てきます。
でも、それは結構楽しかったりもするんですけどね。遠足に行く前の日のような感覚で。
岩本
今回そんな12年前のインパクトを与えた黒沢美香さんの作品に出演することになって、他の舞台と大きく異なるものってありますか?
北村
普段からの心がけとして、急に「舞台だから」、「クリエイションだから」となりたくない、と思い準備をしています。しかし、美香さんの作る世界は稽古即舞台、稽古即踊りです。もう今この瞬間に何を燃やせるか、みたいなことが常なので、それはやっぱり私が知っている中で一番、速度としても早いし、密度としても濃いと思います。
岩本
稽古場日誌の中で、黒沢美香語録というのを掲載しているんですが、12年間の中で、しげやんの中で記憶に残っている美香さんの言葉があれば教えて下さい。
北村
美香さんが使う言葉の中で一番衝撃を受けたのは「ダンス」です。そして「踊り」です。文字にするとカタカナのダンスだし、ひらがなのおどり、でもそれを美香さんが言うことによって、教科書に書いてあるそれ以上の衝撃を受けました。子供の時から踊りもダンスもやってきた、けれどもあまりそのことについて掘り下げたことがなかったからだと思うんです。
岩本
踊りとは、ダンスとはなんなのか?ということですか?
北村
そういうことを初めて自分に問いかけたのだと思います。
美香さんの発するダンスに触れたときに、美香さんの歴史が垣間見えた気がして理由もなく勝手に涙が流れてきたんです。ダンスってそんなに奥深くて美しいものだったのかと。その体験・体感とことばがセットになって、自分の中に宿っています。
岩本
最後に個人的に気なっていることなんですが、ロスホコスさんの誕生秘話を教えてください。
北村
ロスホコスさんとは、巡り合わせというか、京都でダンスフォーオールというコミュニティダンスのプロジェクトがあったときに、オヤジダンスの振り付けをさせてもらった年があったんです。その時に、1対1で向かい合って、一人一人とタイマン勝負みたいに見つめあって、がっつり組んで、投げるか、投げないか、食うか食われるかみたいなことをワークショップでやらせてもらいました。それを出発点に、大の大人が泣いて笑って真剣勝負しながら作品を作りました。
その時に一緒にやってた方たちが立ち上げたのが「ロスホコス」というダンスグループです。彼らの初めての自主公演では振付をさせてもらったり、私の作品に出てもらったり、その後、彼らも黒沢美香さんとの出会いがあり、お互いに切磋琢磨し合う関係ですね。
岩本
コンテポラリーダンス@西日本版という企画の中で、一番僕の中でたのしいインパクトを与えてくれたのがロスホコスさんでした。
北村
その楽しさはやはり緊張感から生まれるのだと思います。すごい厳しくてしんどいところを通った先の、最初に飲むビールの一口がうまい、そのために、絶対に甘いことは許さない、という感じがお互いにありますね。それがロスホコスの秘訣というか、魅力なんでしょうかね。
岩本
今日はありがとうございました。
本番までよろしくお願いします。
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